講演要旨

治承４年(1180）５月に始まった治承・寿永の内乱（いわゆる源平内乱）は、 治承４年 (1180）５月の以仁王・源頼政の挙兵に始まり、 元暦２年(1185） ３月の壇ノ浦合戦における平氏一門 の滅亡を経て、文治５年 (1189） の奥州合戦まで続 く、未曾有の 規模 の 戦乱 でした。 何千、時には何万という大軍勢が列島各地を駆け巡り、その予期せぬ結末として、東国 を拠点に 反乱軍を率いていた源頼朝を首長（鎌倉殿）とする鎌倉幕府が成立することになります。
本講演では、通常は騎馬武者による一騎打ちと理解されることの多い源平合戦の実態を、当時の史料や考古学の発掘成果をもとに 再検討し 、当時の民衆や村落がこの戦争 と いかに関わっていたのかを 、具体的に 考えたいと思います。そして、 内乱のなかで権力を樹立した源頼朝が、長年にわたる 戦乱で荒廃 した社会を、どのような政策によって 復興 させようとしたのかを、 論じたいと思います。