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フォーラム
10月フォーラム(第349回)近畿大学水産研究所の持続可能な養殖への挑戦
開催日時 | 2022年10月11日(火) 15:30~16:30 |
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講師 | 升間 主計 近畿大学水産研究所 特任教授・所長 |
配信対象 | 千里ライフサイエンスクラブ会員(年会費2,000円) |
講演要旨
近畿大学水産研究所における養殖研究は1954 年からブリ(ハマチ)などの海産魚類養殖および小割式網生簀養殖法の研究開発から始まった。小割式網生簀養殖法は簡易で安価な養殖施設として国内に広く普及し,海面魚類養殖の拡大に大きく貢献した。魚類養殖では対象とする魚種の‘稚魚’,に餌を与えて大きく育てることで行われる(給餌養殖と呼ぶ)。養殖に用いられる稚魚,には天然の資源から漁獲された稚魚と養成親魚から採卵し,ふ化仔魚から育てた稚魚,(人工種苗と呼ぶ)がある。特に後者は天然資源に依存しないことから天然資源の保全を進めながら養殖を行うことができる。近畿大学水産研究所では,海産魚類を中心として1960年から天然資源に依存しない持続可能な養殖を目指し,20 種類以上の魚種の人工種苗の生産技術開発の研究に取り組んできている。
本講演では近畿大学水産研究所が持続可能な養殖を目指して取り組んできた歴史の中で日本の養殖業に貢献してきたクロマグロ,マダイなどの研究,さらにウナギ研究などについて,その歴史と現状を紹介する。