講演要旨

京都の酒蔵というと伏見が酒処として有名ですが、弊社は京都の中心部、豊臣秀吉の邸宅であった聚楽第跡にあります。京都の街中は豊富で良質の地下水が湧出し、京料理や茶道、友禅染など水に関する産業の発達した地域です。日本酒の酒蔵も多くあり、明治後期までは伏見より蔵元の数も生産量も多く、洛中が全国でも有数の酒処として知られていました。
時代の流れとともに、日本酒の生産量や酒蔵の数は減少しており、洛中の酒蔵も転廃業や郊外へ移転で数少なくなりました。
いま、全国的に酒蔵を観光資源にしていこうという動きがあります。全国の酒蔵1500 社あまりが、それぞれ酒の製造と販売を通して、地域と密接に結びついています。地域の酒蔵同士や異業種と連携して、地域全体でお客様を受け入れることで、地域活性に繋げていく「京都洛中酒蔵ツーリズム」事業をはじめ、ノンアルコール飲料やリキュールの開発、米麹を使った食品原料と地域コラボ商品の展開など、京都洛中の地域活性を目指す新たな取組みのご紹介をさせていいただきます。