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フォーラム
4月フォーラム(第355回)細胞老化と体の老化
開催日時 | 2023年4月18日(火) 18:00〜19:00 ※終了後19:00分~20:00に懇親会を実施 |
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講師 | 原 英二 大阪大学 微生物病研究所 教授 |
配信対象 | 千里ライフサイエンスクラブ会員(年会費2,000円) 会員以外の皆様にもお申込みいただければ3日間限定で録画配信 |
講演要旨
私たちの体は約40兆個の細胞からつくられていますが、それらの細胞には異常が起こると細胞分裂を止める安全装置が備わっています。「細胞老化」と呼ばれる現象はこの安全装置の一つであり、異常な細胞が増えて癌化するのを防ぐ重要な癌抑制機構として働いてます。しかし、細胞老化を起こした細胞(老化細胞)は直ぐに死滅するわけではないため、歳を取ると体の中に老化細胞が溜まっていきます。体の中に老化細胞が溜まってもそれが無害なら問題はないのですが、老化細胞の中には炎症を引き起こす可能性がある様々な物質を分泌するものが存在すことが明らかになってきました。このため、老化細胞が体の中に溜まり過ぎると、慢性炎症が引き起こされ、身体機能の低下や癌などの様々な病気を発症しやすくなる可能性があり、体の中に溜まった老化細胞を取り除くことで健康寿命を延ばせるのではないかと期待されています。
しかし、本当に老化細胞を取り除けば健康寿命が延びるのでしょうか?細胞老化と体の老化はどのような関係にあるのでしょうか?本講演では、細胞老化と体の老化や病気との関係を最新の研究成果を基にお話しいたします。