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フォーラム
5月フォーラム(第356回)メタボ・フレイルとこれからの栄養学
開催日時 | 2023年5月17日(水) 18:00〜19:00 ※終了後19:00分~20:00に懇親会を実施 |
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講師 | 阿部 圭一 一般財団法人 阪大微生物病研究会 副理事 |
配信対象 | 千里ライフサイエンスクラブ会員(年会費2,000円) 会員以外の皆様にもお申込みいただければ3日間限定で録画配信 |
講演要旨
皆さん、フレイルをご存じでしょうか?フレイルは、虚弱(frailty)を意味する新たな健康長寿のための指標です。大阪府で行った調査によると、メタボ(メタボリックシンドローム)は知っていても、フレイルについてはよくわからない、という方が多いようです。そのため、粗食こそが長寿の秘訣などと勘違いされている方が未だ少なくないようです。
今から100 年前、世界に先駆けて国立の栄養研究所が設立され、これをきっかけに、食事摂取基準などの日本人の健康に資する栄養指針が提唱されてきました。こうしたいわゆるポピュレーションアプローチによって、栄養失調や生活習慣病の予防に栄養学は大きな貢献を果たしてきました。
しかし、とくに中高年以降、健康面での個人差が大きいため、メタボ・フレイルの混在という複雑な健康課題に直面しています。これに対応するためには、従来のポピュレーションアプローチに代わる “プレシジョン栄養”すなわち個人ごとに最適化された栄養指導が必要となっています。こうした背景のもと、腸内細菌叢や健康診断データ、生活習慣、そして食事内容などのビッグデータ解析に基づくAI 栄養などの栄養学の新たな挑戦について紹介させていただきます。