理事長挨拶
公益財団法人 千里ライフサイエンス振興財団
理事長 審良 静男
当財団は、千里を中心とする大阪北部地域を生命科学(ライフサイエンス)のメッカにしたいとの故山村雄一元大阪大学総長の構想のもと、ライフサイエンスの研究者など産学官の関係者が各々の組織を超えて親しく自由闊達に情報や意見を交換し議論する「知の交流拠点」として、1990年7月に設立されました。
大阪北部地域には、大阪大学をはじめ国立循環器病研究センター、医薬基盤・健康・栄養研究所などの医療・研究機関と製薬企業の研究所・工場が集積し、彩都ライフサイエンスパークや健都(北大阪健康医療都市)、中之島(未来医療国際拠点)などの拠点形成も進んでいます。
こうした中、当財団は2010年に公益財団法人に認定され、「知の交流拠点」としての役割をより一層果たすため、ライフサイエンス分野における研究人材の育成、研究助成・支援、普及啓発、研究の実用化支援など各面にわたり、先進性・公益性の高い事業を発展・拡充させてまいりました。
生命の仕組みを研究するライフサイエンスの分野は広範な学問領域にわたり、その成果は、医療や保健はもとより、環境や食料など、人間生活の根底を支え、豊かで幸せな人間社会を実現していくために大きく貢献することが期待されています。しかし、それは本質を突き科学として基礎がしっかりした多様な研究を営々と積み重ねてこそ、初めて実現するものと考えております。当財団はそのような研究をサポートするとともに多くの方々に情報提供をしてきたいと思っております。
2020年からの新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、これまでの事業の様態が一変し、web開催が中心になりましたが、より多くの方々や遠方の方々が参加しやすくなるなどのメリットもありました。その結果、財団の知名度や企画の満足度の向上に貢献いたしました。一方で、山村先生の意図された赤ちょうちんを千里の場に創りたいという知の交流の場としての役割を十分果たせているのか懸念されるところです。今後のウィズコロナ・ポストコロナ時代におきましては、webとオンサイトを組み合わせながらも、演者と一体感が生まれるオンサイトに多くの聴衆が参加していただけるような事業展開を模索しつつ、ライフサイエンスにおける交流拠点として社会に貢献できるよう、更なる事業の充実に取り組んでまいる所存ですので、当財団の活動に一層のご支援とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。