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11月フォーラム(第372回)人生100年を生きる

開催日時 2024年11月19日(火) 
18:00〜19:00
※終了後19:00~20:00に懇親会実施(会員のみ参加可)
講師 権藤 恭之 先生
大阪大学大学院人間科学研究科
人間科学専攻 教授
配信対象 千里ライフサイエンスクラブ会員
(年会費2,000円)
会員以外の皆様にもお申込みいただければ3日間限定で録画配信

講演要旨

日本は、人生100年時代と言われるように長寿をおう歌できる時代になった。しかし、一方で老いることへの抵抗感は強い。ある機関の調査によると日本人は100歳まで生きたいと思う人の割合が他の国々と比較して顕著に低い。この乖離をどう考えればよいのか。近年、老年心理学ではステレオタイプ内在化仮説が注目されている。この仮説では加齢に対してポジティブなステレオタイプを持っている方が、健康を維持しやすく余命が長いとされる。人生100年時代の日本にこそ加齢に対するポジティブなイメージが求められるのではないだろうか。
ピンピンコロリは誰しもが目標とする理想的な老いと死の姿だといえる。しかし、人生100年時代にピンピンコロリを達成できる人は限られている。つまり、人生100年時代においてはピンピンコロリではない老いの在り方を模索することが加齢に対するポジティブなステレオタイプの醸成に必要となる。
講演者は、心理学を中心に高齢期の加齢研究に携わってきた。中でも高齢期から超高齢期にかけて発達すると考えられている「老年的超越」に注目し、「老年的超越」は、高齢期に発達すること、超高齢期の虚弱に適応するための重要な心理的要因であることを報告してきた。本講演では、これまでの研究成果から人生100年時代をしあわせに生きるために、ピンピンコロリ一辺倒の目標だけでなく、フニャフニャスルリと呼ぶべき、虚弱を楽しめる高齢期の在り方も模索する必要性を提案したい。

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